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泌尿器科

当院の泌尿器科の概要です。

Urology

概要

泌尿器科とは主に後腹膜に存在する臓器を扱う科で、腎、尿管、膀胱、尿道(男女共通)などの泌尿器系臓器と精巣、陰茎、前立腺など男性特有の臓生殖器の診療(手術、内科的診療)を行います。

こんな症状があったら、気になったら、以下のリンクもご参照ください。

当院での疾患別の診療の特色

1.前立腺肥大症

  • • 前立腺肥大症とは、男性の膀胱出口にある前立腺癌肥大し、尿道を圧迫することで排尿に関する症状を引き起こす病気です。前立腺肥大症によって排尿困難を生じている方、尿閉(尿がまったく出せずカテーテル挿入)となった患者さんが外科治療の適応となります。当院では従来の手術(経尿道的前立腺切除術:TURP)ではなく、HoLEP(前立腺レーザー核出術)やCVP(前立腺蒸散術)を取り入れています。両手術ともに秋田県では当院でのみ施行しています(令和6年時点)。HoLEPは大きな前立腺肥大症に対応でき、CVPは手術時間が少なく、出血も少ない低侵襲な手術です。患者さんの希望、前立腺肥大症の状況次第で術式を選択しています。秋田県で前立腺肥大症に対して一番手術件数も多く、最新の治療を行っています。手術説明書へのリンクはこちら :HoLEP(前立腺レーザー核出術)CVP(前立腺蒸散術)

2.尿路結石

  • 尿路結石とは、腎臓から尿道までの尿路に結石ができる病気です。結石は尿中の成分が結晶化して固まることで形成されます。結石によって、疼痛や発熱、腎機能障害などが起きることがあります。当院では尿路結石(腎、尿管、膀胱)に対してレーザーを用いた内視鏡手術(経尿道的尿路結石破砕術:TUL)を多数行っています。秋田県で唯一高出力のレーザーが備わっています(令和6年時点)。以前行っていたESWL(体外衝撃波結石破砕術)は現在行っていません。希望の方はESWL施行可能な病院に紹介します。手術説明書のリンクはこちら

3.骨盤臓器脱手術(膀胱瘤)

  • 骨盤臓器脱とは、骨盤内臓器である子宮、膀胱、直腸などが下がってきて、膣から体外に出てしまう病気のことです。膀胱が脱出した場合は膀胱瘤と呼ばれ、これらが単独または同時に出現します。薬は無効で、治療の原則は手術療法になります。近年普及しているLSC(腹腔鏡下仙骨膣固定術)やRASC(ロボット支援仙骨膣固定術)を希望の患者さんは施行病院に紹介いたします。

4.尿失禁

  • 尿失禁とは自分の意思とは関係なく尿が漏れてしまうことです。女性に多いですが男性でも一定数の方が経験していると言われており珍しくない病態です。漏れの種類によっていくつかの分類に分けられ、くしゃみをしたときなどお腹に力が入ったときに漏れてしまう腹圧性尿失禁、急に尿意が出現し我慢できずに漏れてしまう切迫性尿失禁などがあります。
  • 腹圧性尿失禁で内服にて改善しない場合は尿道の後面にテープを留置するTOT(trans-obuturator tape)手術を行っています。
  • 切迫性尿失禁(過活動膀胱)に対しては内服治療で改善しない場合はボトックス膀胱壁内注入療法を行っています。ボトックスはA型ボツリヌス毒素製剤で、膀胱壁に注射することで筋弛緩作用を呈し異常な膀胱収縮を抑えることで失禁を改善します。手術説明書のリンクはこちら

癌治療

癌の種類や進行度によって、外科的治療、放射線、薬物療法(抗がん剤、分子標的薬、免疫療法)を組み合わせて行います。

1.前立腺がん

  • 前立腺がんは前立腺に発生する悪性腫瘍で、中高年の男性において注意すべき病気の一つです。
  • PSA高値でがんが疑われる場合、前立腺生検を行います。当院では1泊2日の入院で行っています。前立腺がんの治療は、手術、放射線療法、薬物療法(ホルモン療法や抗がん剤治療)の3種類があります。患者さんの希望、がんの進行状況で治療法を選択します。当院では令和6年4月から内視鏡手術支援ロボット「ダヴィンチ」を導入しております。従来の開腹手術よりも繊細で精緻な操作が可能となっており、手術の質向上、排尿や性機能の温存、出血量の低減などから患者さんの負担軽減が期待できます。また放射線治療を行う際には、直腸の放射線被曝を減らし合併症を軽減するため前立腺と直腸との間にハイドロゲル(Space OAR®)を注入する手術を令和6年から導入しており、これを放射線治療に先立って行います。JA秋田おばこ掲載記事のリンクはこちら。手術説明書のリンクはこちら: RARPSpaceOARⓇ

2.膀胱がん

  • 膀胱がんは、膀胱に発生する悪性腫瘍です。男女問わず発症し、血尿や排尿に関する症状を契機に発見されることがあります。
  • 基本的には最初に経尿道的膀胱腫瘍切除(TURBT)を施行します。場合によってはTURBTの前に病変部位を視認性向上のために5-アミノレブリン酸(商品名:アラグリオ®)を内服することがあります。手術することで病変の切除が期待でき、また同時に組織型や進展状況を判定します。TURBT後、病変の大きさや数、悪性度や進展の程度などによって、追加で放射線療法、薬物療法(膀胱内薬物注入療法、抗がん剤、免疫療法)を行うこともあり、状況次第で膀胱全摘手術を行う場合があります。膀胱全摘手術時はストーマを用いない代用膀胱(腸管を利用して人工膀胱を作成する)も行っています。手術説明書のリンクはこちら

3.腎盂、尿管がん

  • 腎臓で作られた尿が通る路、腎盂から尿管に発生する悪性腫瘍であり、まとめて上部尿路上皮がんと言われます。病気の進行度によって治療法が選択されます。
  • 転移などがない場合には手術による外科治療が適応になります。手術は腹腔鏡下で腎尿管全摘を行います。手術前、手術後に薬物療法(抗がん剤、免疫療法)を行うこともあります。病気の進行次第では手術を行わず薬物療法や放射線療法を行うこともあります。

4.腎がん

  • 腎臓は背中の腰あたりにある左右対称の臓器で、血液をろ過して尿を作り、体内の水分や塩分、体液のバランスを調節したりする臓器です。腎がんは腎臓にできる悪性腫瘍です。
  • 腎臓に限局している場合は基本的には外科手術を行います。手術は腎臓全体を摘出する腎摘除術と小さめの腫瘍の場合に腎臓を部分的に切除する腎部分切除術に分けられます。いずれも腹腔鏡手術で行うことが多いですが、がんの状況次第で開腹手術で行うこともあります。手術前、手術後に分子標的薬や免疫療法などの全身治療を行うこともあります。当院でには令和7年後期から内視鏡手術支援ロボット「ダヴィンチ」を用いたロボット支援腹腔鏡下腎部分切除術を導入予定です。

5.精巣がん

  • 精巣とは、男性生殖器で精子を生成し男性ホルモンを分泌する臓器です。精巣がんは精巣にできる悪性腫瘍で、20~30代の青壮年期に多く発生する特徴があります。
  • 基本的にははじめに精巣を摘出する高位精巣摘除術を行い、組織型を判定します。同時に採血やCT検査などで進行状況を判定します。
  • 病期の進行次第では手術後に放射線治療や抗がん剤治療が必要となることもあり、その場合は大学病院などに紹介のうえ加療となります。

【令和6年(2024年)主な手術件数】

  1. 経尿道的前立腺レーザー核出術(HoLEP):31件
  2. 前立腺レーザー蒸散術(CVP):16件
    前立腺肥大症手術:計47件

  3. 経尿道的尿路結石破砕術(膀胱結石を含む):76件
  4. 内シャント造設術(動脈表在化、人工血管留置含む):63件
  5. 陰嚢水腫、精巣摘除術:2件
  6. ボトックス膀胱壁内注入療法:7件
  7. 前立腺全摘(前立腺がん):48件
  8. 経尿道的膀胱腫瘍切除術(TURBt):87件
  9. 腹腔鏡下腎摘出術(腎がん、腎盂尿管がん):12件
  10. 腹腔鏡下副腎摘出術(副腎腫瘍):2件
  11. 精巣悪性腫瘍手術(高位精巣摘除):2件
  12. ハイドロゲルスペーサー留置術(前立腺がん):13件