泌尿器科
当院の泌尿器科の概要です。
Urology
概要
泌尿器科とは主に後腹膜に存在する臓器を扱う科で、腎、尿管、膀胱、尿道(男女共通)と精巣、陰茎、前立腺など男性特有の臓器の診療(手術、内科的診療)を行います。
当院での疾患別の診療の特色
1.前立腺肥大症
- 前立腺肥大症によって、排尿困難、尿閉(尿がまったくでずカテーテル挿入)となった患者さんに対して手術を行っています。従来の手術TUR-Pではなく、HoLEP(前立腺レーザー核出術)やCVP(前立腺蒸散術)を当院では取り入れています。両手術ともに秋田県で当院のみ施行しています(令和4年時点)。HoLEPは大きな前立腺肥大症に対応でき、CVPは手術時間少なく、出血も少ない低侵襲手術です。患者さんの希望、前立腺肥大症の状況次第でどちらかの手術を行います。秋田県で前立腺肥大症に対して一番手術件数も多く、最新の治療を行っています。
2.尿路結石
- 尿路結石(腎、尿管、膀胱)に対してレーザーも用いた内視鏡手術を多数行っています。秋田県で唯一高出力のレーザーが備わっています(令和4年時点)。以前行っていたESWL(体外衝撃波結石破砕術)は現在行っていません。希望の方はESWL施行病院に紹介します。
3.骨盤臓器脱手術(膀胱瘤)
- 当院ではメッシュを使用したTVM手術を施行しています。近年普及しているLSC(腹腔鏡下仙骨膣固定術)希望の患者さんは、LSC施行病院に紹介いたします。
4.尿失禁
- 腹圧性尿失禁で内服にて改善しない場合は尿道の後面にテープを留置するTOT(trans-obuturator tape)手術を行っています。
- 切迫性尿失禁(過活動膀胱)に対しては内服治療で改善しない場合はボトックス膀胱壁内注入療法を行っています。
癌治療
癌の種類や進行によって、外科的治療、放射線、薬物療法(抗がん剤、分子標的薬、免疫療法)を組み合わせて行います。
1.前立腺癌
- PSA高値で癌が疑われる場合、前立腺生検を行います。当院では1泊2日で行っています。前立腺癌の治療は、手術(当院では開腹手術となります)、放射線療法、薬物療法(ホルモン療法や抗がん剤治療)の3種類があります。患者さんの希望、前立腺癌の進行状況で治療法を選択します。
2.膀胱癌
- 基本的に経尿道的膀胱腫瘍切除(TUR-BT)を施行します。切除で病気の進行状況を判定します。TUR-BTのみ加療の場合はあれば、追加で放射線療法、薬物療法(抗がん剤、免疫療法)を行うこともあり、状況次第で膀胱全摘手術を行う場合があります。膀胱全摘手術時はストーマを用いない代用膀胱(腸管を利用して人工膀胱を作成する)も行っています。
3.腎盂、尿管癌
- 手術は腹腔鏡下で腎尿管全摘を行います。手術前、手術後に薬物療法(抗がん剤、免疫療法)を行うこともあります。病気の進行次第では手術を行わず薬物療法や放射線療法を行うこともあります。
4.腎癌
- 腎癌は基本的には腎摘手術を行います。手術は腹腔鏡手術で行うことが多いですが、腎癌の状況次第で開腹で行うこともあります。手術前、手術後に分子標的薬や免疫療法を行うこともあります。
5.精巣癌
- 精巣を摘出する高位精巣摘除を行います。追加で放射線加療を行うこともあります。
- 病期の進行次第では手術後に抗がん剤治療が必要となることもあり、その場合は大学病院などに紹介のうえ加療となります。
【令和3年(2021年)主な手術件数】
- 経尿道的前立腺レーザー核出術(HoLEP):57件
- 前立腺レーザー蒸散術(CVP):9件
前立腺肥大症手術:計66件
- 経尿道的尿管結石破砕術(TUL):63件
- 経尿道的膀胱結石破砕術:13件
- 内シャント造設術(動脈表在化、人工血管留置含む):52件
- 陰嚢水腫、精巣摘除術:14件
- 停留精巣手術(小児):3件
- 膀胱瘤手術(TVM手術):4件
- ボトックス膀胱壁内注入療法:6件
- 前立腺全摘(前立腺癌):5件
- 経尿道的膀胱腫瘍切除術(TUR-Bt):68件
- 腹腔鏡下腎摘出術(腎癌、腎盂尿管癌):12件
- 精巣悪性腫瘍手術(高位精巣摘除):3件