整形外科
当院の整形外科のご案内です。
Orthopedic surgery
概要
整形外科は、骨や関節などの骨格系と、それらを取り囲む筋肉や神経系の疾患を扱う診療科です。 骨折やケガなどの外傷を始め、腰痛、膝の痛み、五十肩などの変性疾患や骨粗鬆症に代表される加齢に伴う疾患など、幅広い年齢層の方を対象としています。
大曲厚生医療センター整形外科は、2019年4月より新体制となり、年々着実に実績を重ね手術件数も増加してきております。脊椎に関しては、骨粗鬆症性椎体骨折に対するセメント注入手術(椎体形成術 BKP)や内視鏡を用いた低侵襲手術から、変形矯正手術まで全ての脊椎手術が可能です。肩関節に関しては、内視鏡下腱板修復術、人工肩関節手術は県内トップクラスの手術件数を誇ります。股関節では、人工股関節の手術アプローチ(関節への入り方)には後方、側方、前側方、前方と大きく4つの方法がありますが、当センターでは2022年より最小侵襲前方進入法(anterior minimally invasive surgery:AMIS)を県内で初めて導入しました。AMISアプローチでは、関節を包む袋(関節包)の切開も最小限にして専用の器械で手術を行うことで、筋肉や神経をさらに痛めにくく、重大な術後合併症である脱臼も起こしにくく、術中の出血も抑制できます。創も6-8cmと小さく症例によっては鼡径線に沿って皮膚切開を行うことで創自体がほとんど目立たない方もいます。さらに手術の翌日には歩行練習を開始し、多くの患者さんは2週間前後で階段の昇り降りもできるようになって自宅に退院することができます。膝関節は、軟骨の摩耗状態などから人工膝関節全置換術、人工膝関節半置換術、膝関節周囲骨切り手術など、患者さん一人一人にベストな手術方法を選択します。さらにスポーツ外傷に対して膝関節靭帯再建術、内視鏡手術、など豊富な知識と確かな技術で大仙仙北地区の皆様に最先端の医療を提供してきております。
秋田県の高齢化率は全国1位です。2045年には高齢化率50%を超えるとも予想されております。高齢化で問題となるのが骨粗鬆症に伴う骨折、いわゆる脆弱性骨折の増加です。特に大腿骨近位部骨折、脊椎椎体骨折は高齢者のADLやQOLを低下させるばかりでなく、生命予後にまで影響を及ぼす恐ろしい骨折です。この深刻な問題に対し国は2022年に診療報酬を改定しました。骨折したら早く手術して、寝たきり、要介護を減らすとともに、さらなる骨折を防ぐことが目的です。この改定を受け、私たちも早々に骨折リエゾンサービスを立ち上げ、地域の医療機関との連携を密にして、骨折による寝たきりを防ぎ、ADLやQOLを低下させないよう日々の診療にあたっております。
年齢とともに、腰痛、肩こり、膝の痛みなど、足腰が衰えてくるのはある程度仕方のないところかもしれません。大仙仙北地区においても運動器疾患でお困りの方も多いかと存じます。適切な診断、治療を受けることによって改善する運動器疾患はたくさんあります。高齢化率1位ならば,健康寿命第1位も目指そうではありませんか!
私たち大曲厚生医療センター整形外科は、阿部利樹(脊椎・脊髄疾患)、嘉川貴之(上肢、肩関節)、赤川 学(膝関節、下肢、外傷、骨粗鬆症)、岩本陽輔(股関節、手関節、リウマチ)、高橋靖博(膝関節、足、外傷)、阿部和伸(脊椎、外傷)の6人で地域の皆様方に最先端の医療を提供し、皆様方の健康に少しでもお力になれたらと思っておりますので、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
椎体形成術(BKP)
骨粗鬆症性椎体骨折に対して行います。
脊椎内視鏡視下手術
椎間板ヘルニアや脊柱菅狭窄症に対して、小さな傷で手術をすることが可能です。
最新の4Kディスプレイを採用しています。
変性側弯症に対する矯正固定術
インプラントを用いて矯正します。
鏡視下腱板修復術
1cm程度の小さな皮膚切開を数か所加え、内視鏡を用いて断裂した腱板を修復する低侵襲手術です。
リバース型肩人工関節置換術
腱板断裂症性関節症などに行います。
変形性膝関節症に対する手術方法
最小侵襲前方進入法(anterior minimally invasive surgery:AMIS)
手術件数
令和元年度 | 令和2年度 | 令和3年度 | 令和4年度 | |
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脊椎手術 | 250 | 329 | 380 | 316 |
人工股関節置換術 | 36 | 32 | 46 | 57 |
人工膝関節置換術 | 38 | 56 | 48 | 65 |
内視鏡下腱板修復術 | 32 | 50 | 60 | 50 |
骨折、外傷など | 517 | 662 | 735 | 740 |
合計 | 873 | 1129 | 1269 | 1228 |