指導医より(産婦人科)
診療各科の研修指導医より、研修内容のご案内です。
Resident program
指導医2名(佐藤 敏治・長尾 大輔) 専門医3名
1.診療内容
当院は、日本産科婦人科学会 専攻医指導施設(連携型)、日本産科婦人科内視鏡学会 認定研修施設(秋田県で2施設のみ)、日本周産期・新生児学会 母体・胎児指定施設(秋田県で1施設のみ)です。 産婦人科専門医3名、専攻医1名の計4名で診療にあたっており、それぞれ、日本周産期・新生児学会 母体・胎児指導医(秋田県で3名のみ)、日本婦人科腫瘍学会 婦人科腫瘍専門医 (秋田県で8名のみ)、日本産科婦人科内視鏡学会 技術認定医(秋田県で6名のみ)の資格を有するエキスパートが揃っております。 上記の技術を活かして、ハイリスク妊婦の受け入れ、腹腔鏡による低侵襲手術 、悪性腫瘍の根治術を行っております。
産科は、県南の中核病院として、妊娠34週以降の早産や妊娠合併症管理を受け入れている。
2022年は分娩数が213件、そのうち帝王切開は43件です。
妊婦健診では、3D/4Dエコーを使用した胎児診断も行っております。
婦人科は、県南随一の低侵襲手術および悪性腫瘍手術を特色としている。
低侵襲手術では、経腟的内視鏡手術(vNOTES)や腹腔鏡下仙骨腟固定術(LSC)、子宮体がんセンチネルリンパ節同定など、県内の他施設ではまだ施行されていない術式を取り入れております。
2016年1月〜2022年4月現在までに383件の腹腔鏡下手術が施行されています。
悪性腫瘍手術では、卵巣がんにおける術前化学療法後腫瘍減量術(NAC-IDS)として、外科と協力して腸管合併切除などを積極的に行っている。
子宮体がんでは標準術式である骨盤リンパ節郭清を施行しており、2022年は、郭清リンパ節個数は平均で37±4.9個(412は含まず)であり、全国平均を上回る郭清度であると考えられます。
生殖・内分泌では、精液検査、子宮卵管造影検査、ホルモン検査等の諸検査、排卵誘発や、タイミング療法を行っております。
2.研修の概要
超音波技術の習得
産科
- 胎位確認・羊水量・胎盤付着部位の確認
- 胎児推定体重(BPD・AC・FL)の計測
- 胎児心エコ―(四腔断面・3VV)の習得
- 胎児4Dエコー(顔面)
婦人科
- 腹水の評価(肝表面・肝腎境界・腸骨窩)
- 両側腎臓(水腎症)の描出
経腟超音波
- 子宮頸管長計測
- ダグラス窩の腹水の評価
- 正常子宮・両側卵巣の描出
開腹・閉腹術の習得
内視鏡下手術が普及している昨今でも、産婦人科は帝王切開をはじめとした開腹術が比較的豊富な研修科であり、1年目から上記を通して、基本的な電気メス使用技術、縫合・結紮術を習得することを目標とする。
- 手術野の準備(消毒・清潔操作・ドレープのかけ方・各種デバイスの準備)
- 腹壁解剖の習得
- 結紮術の習得
- 電気メス使用技術の習得
- 各種鉤(腹壁・膀胱・直腸・筋)の適切な使用技術の習得
- 外科鋏の使用技術の習得
- 縫合術(主に真皮縫合)の習得
低侵襲手術の体験
年間60件以上の腹腔鏡手術・vNOTES(腟式腹腔鏡手術)などの、助手や結紮などの基本的手技を学んでもらう。
- ドライボックスを使用した縫合・結紮技術の習得
悪性腫瘍手術の助手
骨盤リンパ節郭清を通して骨盤内の血管・神経・尿管の走行を中心とした解剖学的知識の習得、術後合併症の管理を学ぶ。
腹腔穿刺(CART)
安全な腹腔穿刺の手技、CART
子宮卵管造影
月経歴・造影剤アレルギーの問診、防護服着用での透視・撮影
その他
実際に救急当直で診療することとなる、卵巣腫瘍茎捻転・卵巣出血・異所性妊娠などの診断・および治療について、性器出血の対応について臨床経験の中で学んでいく。
分娩に立ち会うことで、分娩第1第2第3期など大まかな診断ができるようにする。
周産期における子宮のダイナミックな変化を視診・触診などで大まかに把握できるようにする。
陣痛とは異なる異常な痛みや血圧上昇時の対応を学ぶ。
懇談会