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指導医より(整形外科)

診療各科の研修指導医より、研修内容のご案内です。

Resident program

常勤医師5名(阿部 利樹)

1.診療内容

急速に進む超高齢化社会において平均寿命と健康寿命との差が問題となっている。健康寿命を短くする原因の多くは整形外科関連の疾患である。われわれ整形外科医に求められるものは、患者さんのADL,QOLを如何にして改善、向上させて健康寿命を伸ばすか、ということである。
整形外科は腰痛、肩こり、膝など関節の痛みに対する治療や、骨折などの外傷、骨粗鬆症や関節リウマチ、スポーツ障害などといった疾患まで、その守備範囲は広い。2019年4月から当院の整形外科診療体制は一新され、脊椎、関節、外傷それぞれのエキスパートが配属された。それぞれの専門分野の知識、技術を活かし、他科との連携を密にしてチーム医療で日々の診療にあたっている。

2.研修の概要

医師である以上、当直業務は避けられない。当直時間帯に必ずと言っていいほど受診するのは、腹痛、脳血管疾患、めまい、小児、循環器疾患、そして外傷である。ちょっとした切り傷から緊急手術を要する多発外傷まで程度はさまざまであるが、外傷は必ず来る。
研修では、その外傷に対する初期治療を習得することを目標とする。具体的には傷の縫合、汚染された傷の処置、骨折の整復、固定法、脱臼整復などである。初期治療を行うにあたって、まずは正確に診断しなければならない。診断するためには画像読影能力を身につけること。私たちは毎朝のカンファレンスで単純写真、CT, MRIを全員で供覧しdiscussionしている。毎日多くの画像を診ることにより読影力が自然と養われていく。次に、処置の際に必要となるのが麻酔である。われわれは四肢の外傷に対し各種神経ブロックを行う。特にエコーガイド下での神経ブロックは非常に有用であり、医師が習得すべき技術の一つと考えている。
世の中から交通事故、転倒、転落など、外傷は決してなくなる事はない。先生方が将来どの診療科に進もうとも、特に整形外科以外の科に進むのであれば、研修医時代に外傷に対する初期治療を習得しておくべきであろう。